発想から生まれたアクセサリーたち

「発想」から生まれたアクセサリーたち

 

「今の私たちには作れないかもしれない。だけど、お客様に使いやすいアクセサリーを届けたい」そんな想いや発想が形となっているトリプル・オゥのアクセサリーたち。これまでに生まれてきたアクセサリーを、いくつかご紹介します。



DNA(ディ・エヌ・エイ)



トリプル・オゥの初めての商品となった『DNA(ディ・エヌ・エイ)』。複雑に絡みあうDNA構造を「線と円」だけで表現したラリエット(留め具のない紐状のアクセサリー)です。

 

「これが、糸でできているんだ!」

 

そんな驚きを作りたい。糸のアクセサリーを作ると決めたとき、私たちが刺繍屋として築いてきた歴史も、世の中に出ている「アクセサリー」という概念も、一度すべてひっくり返すようなアクセサリーを目指していました。

 

身につける人が輝くような華やかさがありながら、軽いつけ心地の糸でできているということ。「おしゃれは我慢」というフレーズより、使う人に寄り添った「美しさと機能の両立」が可能なはずだと試行錯誤を繰り返しました。

 

だからこそ、素材にはこだわりたかった。糸らしく見えない、輝きのある糸を目指して、私たちが初めて取り組んだのは、刺繍のための「糸を作る」こと。地元の撚糸職人さんと一緒に、ああでもない、こうでもないと試作を重ねるのは、これまでにない経験でした。

 

使う素材、束ねる本数や捻り方などの組み合わせで、何通りもの試作ができました。強く捻るほど強度は高まって刺繍はしやすい。けれども輝きがくすみ、固くなってつけ心地が悪くなる。そんな難しいバランスを、身につける方の目線に立って決めたつもりです。

 

DNAはアクセサリーとしてはもちろん、柔らかいスカーフのように巻いていただくお客様もいらっしゃいます。身につける方やつけ方、組み合わせる服装によっても表情を変えるDNA。あるときはシックに、あるときはカジュアルに。こういうアクセサリーは、まだ世の中にあまりないので、いろいろなアレンジができるのが魅力です。

 




スフィアシリーズ

 

今、トリプル・オゥで一番の人気商品『スフィア・プラス』です。私たちが初めて、「立体の刺繍」に挑戦した商品です。ブランドを立ち上げてから4年目の2013年に完成しました。

 

「立体の刺繍なんて、無理だよ」

 

長年、刺繍を極めてきた職人たちに、このデザインはなかなか簡単には受け入れられませんでした。これまでやってきた仕事とは全く違う、新しいものに対する不安は大きかったと思います。

 

それでも、試作を繰り返し、工夫を凝らし、なんとか完成したスフィア・プラス。「無理だ」と思っていた立体の刺繍を、想いと技術で実現させたのです。このときから、私たちの中で「できない、だけど作りたい」は合言葉になりました。今の自分たちにはできないデザインであったとしても、お客様に届けたい一心で技術を高めていく。その原点が、スフィア・プラスなのです。

 

また、過去には、地元・群馬県のシルクを使ったスフィア・シリーズも展開しました。シルクを丁寧に刺繍することで、パールのようにハレの日にも使っていただけるほど美しいものです。織物産地を築いてきた群馬らしい素材を使うことも、トリプル・オゥらしさを表現する方法のひとつだと気付かせてくれたのも、この商品です。

 

デザインは、極限までシンプルに。身につける人の日常に、そっと彩りを添える存在を目指しました。現在は、「染めることができる」という糸の特徴を活かし、20色以上のカラーバリエーションを持つスフィア・プラス。「色を着替える」というコンセプトのもと、その日の気分に合わせて付け替えていただけるアクセサリーです。

 

 




Oval(オーバル)

 

ご紹介する中では一番新しい、2018年に生まれたOval(オーバル)。

 

ブランドとして継続していく中で、少しずつできあがってしまっていた既成概念を改めてひっくり返す。そんな気持ちを新たに、今までになかったアクセサリーの形を模索したものです。

 

人気商品となった『スフィア・シリーズ』が、いつのまにかトリプル・オゥのイメージとなっていないか。そんな、自分たち自身で作った山を超える挑戦。これまで意識的に作ってきた「糸だけど糸に見えない、洗練されたアクセサリー」とは、まったく違う表現を探して「人のぬくもりを感じるアクセサリー」を目指しました。

 

実はこのリングは、スケッチした形をそのまま刺繍しています。完璧ではない少し歪んだ円や、表面のゴツゴツした雰囲気も、これまでの「洗練されたイメージのトリプル・オゥ」という概念を超えていこうとする挑戦の表れです。



糸の「曲がる」という特徴を生かしたデザインで、お好きな部分でリング同士をひっかけられます。金属を一切使わず、好きな長さや形に調整できること。デザインそのものが機能性とつながっているのを目指すのは、『DNA』を作ったときから変わっていません。

 

意外にも、小ぶりのスフィア・シリーズとの相性がいい、Oval。2つを一緒に身につけて、対照的な組み合わせを楽しんでくださるお客様もいらっしゃいます。そういう場面を見ると、やはり「既成概念を超え続けよう、0に戻り続けよう」と原点に還ることができるのです。




「つける人に、どんな喜びを届けられるか」

 

それを常に追い求め、「革新」を続ける。そんな考え方が、トリプル・オゥというブランドの中で唯一変わることのないスタイルです。



 

 

 

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